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金剛峯寺からメインストリートを東に15分ほど、宿坊に選んだ遍照光院(へんじょうこういん)というお寺です。天長9年(832)空海によって創建された寺院。大師が禅定に入られた寺院として知られ、禅定の間に時々光を放つ奇跡が起こったため遍照光院と称されました。御本尊は霊験あらたかな大師作の柿(こけら)不動尊。阿弥陀三尊や不動明王、快慶作の阿弥陀像を祀っています。
それほど広くはありませんが、手入れの行き届いた庭園や比較的新しい居室に泊まれ、快適でした。もちろん食事は肉も魚もない精進料理でしたが、三の膳まで付く美味しいもので、年寄りには量が多いほどでした。翌日の朝の勤行に立ち会いましたが、長い歴史の、ある一日として瞑想に浸ることの出来た時間でした。おそらく信仰とはこの種の体験の延長なのでしょう。無神論まで包含してしまう、よく言われる空海の懐の深さを感じました。著作の中で説かれている即身成仏の本意も、何気ない日常の意識の中にあるのだと言う教えにあるのかもしれません。

本堂と護摩堂、中庭と居室です。
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D4s + AF-S NIKKOR 24-70mm f / 2.8G ED